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【規制緩和】SIM単体契約で通信料金の割引解禁へ!6ヶ月間最大2万円引きが可能に

2024年12月5日

SIMカード

総務省は2024年12月5日、「電気通信事業法第27条の3等の運用に関するガイドライン」、いわゆる「スマホ割引規制」の改正に向けた新たな資料を公表した。ガイドラインは、10月から11月にかけて行われた意見募集の結果を反映した内容となっている。

12月26日の施行が予定されている同省令および細則については、既出の情報から大筋で変更はない。

内容は以前の投稿(「スマホ割引規制」見直しへ!レンタル価格は値上げも一括投げ売りが復活か)で詳しく解説しているので、参照されたい。

本記事では、「SIMカード単体契約における通信料金の割引」に焦点を当て、考察する。

SIM単体契約で2万円の通信料金割引が可能に

結論から述べると、端末セットではないSIMカード単体での新規契約・乗り換え(MNP)にて、6ヶ月以内の期間で通信料金から合計税抜2万円までの割引が可能となる。

現在でも、契約特典として最大2万円のポイント付与やキャッシュバックを行うことができる。新ルールでは、これに加えて月々の請求からの割引が許可されるわけだ(重複は不可)。

SIMカード単体契約において、6ヶ月間“通信料金から”税抜2万円の割引が可能に!

現行規制下において、「端末の販売等に際してではない≒SIMのみ契約」における通信料金からの割引は原則禁止されている。

うち、今回の規制緩和の対象となるのは「継続利用に当たらない」場合だ。「継続利用」というのは、10年ほど前によくみられた“2年縛り”のような契約期間に実質的な縛りを設けることを条件とする場合を指す。このようなケースに関しては、引き続きインセンティブを与えることはできない。

いつでも解約の妨げがない契約形態でのみ、6ヶ月以内の間2万円以下の割引が適用される。

公表された「電気通信事業法第27条の3等の運用に関するガイドライン」の改正案には、「新規契約を条件とする利益の提供」に関する禁止行為の例外として、下記のような事項が注記に示されている。

ただし、「継続利用」を条件としない通信料金の割引については、以下3点の条件を全て満たす場合は、法第 29 条第1項第5号の要件に該当しない。
①当該割引の合計額の上限が2万円(税抜)であること(当該割引の合計額は、利益の提供の上限額の内数に含まれる。)
②当該割引の期間の上限が6か月であること。
③当該割引が同一事業者で一回のみであること。

電気通信事業法第27条の3等の運用に関するガイドライン p29 注記32

「③当該割引が同一事業者で一回のみであること」に関して、割引回数のカウントは契約者名義で判定する、としている。

また、同一事業者で複数回の適用も不可。例えば、auで2万円分の割引を受けたら、同系統のUQ mobileやpovoでは適用できない。

「お試し割引」が目的

通信料金からの値引きが解禁される背景としては、楽天モバイルからの「お試し割引」の新設要請があるようだ。

新規参入した通信事業者では、ネットワークが整備途上であることも多く、通信の品質を不安視する声も散見される。一定期間費用の負担が少なくなれば、乗り換えのハードルは下がるだろう。

業界全体の市場原理を促進させ、イノベーションを加速させる狙いが読み取れる。

今後の変化と消費者が取るべき行動

以下、今回の法改正によって起こる変化の予想と、消費者が取るべき行動についての筆者の考察となる。

「MNPで稼ぐ」は終焉へ?

今後、「契約時のポイント付与」よりも「通信料金の値引き」を行うキャンペーンが主流になると予想される。

新ルールでは、契約特典付与の形式として「単純に2万円を進呈」と「通信料金から半年間2万円引き」の2パターンが存在することになる。両方の合計金額が上限2万円であると明記されており、重畳適用はできない。

通信サービス提供側の目線から考えよう。前者の場合、特典の持ち逃げが起こる可能性がある。現に、ポイント目的での契約が一定数発生していることは事実である。

楽天モバイルが11月に行ったキャンペーンでは、特典付与完了までに1年以上を要するなど、顧客が絶対に“黒字”にならないような工夫がみられた。

インセンティブの付与が将来の利益に対する広告宣伝費であることは言うまでもない。

新たな規則が施行されれば、契約の見返りとしてキャッシュバックを行う類いの施策は減少し、代わりに通信料金を安くする方式が主流となるだろう。

「MNPで稼ぐ」はいよいよ終焉の時が近いのかもしれない。

渡り歩きが最善策であることに変わりない

では、結局利用者はどう行動すべきなのか。

払うよりも貰う金額の方が多いような極端な行為は難しくなる可能性がありそうだ。しかしながら、様々な会社のプランを転々とするのが、最も有利である状況はしばらく変化しそうにない。

IIJmioなどの一部MVNOの中には、長期利用者特典の提供開始を予告している事業者も存在するが、メリットは微々たるものに留まっている。

たとえインセンティブの付与方式が変わろうとも、一定周期で乗り換えを繰り返した方がトータルの負担額が少なく済むのが現状だ。

手間を惜しまず毎月の通信費を少しでも抑えたいという方は、今後も各社のキャンペーン情報を注視し続けるべきだろう。

<参考>
- 「電気通信事業法第27条の3等の運用に関するガイドライン」の改正案に対する意見募集の結果及び改正したガイドラインの公表
- 電気通信事業法第27条の3等の運用に関するガイドライン
- 「電気通信事業法第 27 条の3等の運用に関するガイドライン」の改正案に対する意見及びそれに対する考え方

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Tek-Next(管理人)

2021年よりパソコンやスマートフォン、ガジェットに関する記事を投稿。デジタル機器のレビュー/検証のほか、実地調査を含むセール・特価情報の発信で数百万人以上の訪問者を獲得。

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