筆者は今、「Mac mini」の購入を検討している。先日発売されたばかりのM4/M4 Pro搭載Mac mini (2024)だ。
ただ、色々調査する中で、理想の環境を実現するためのハードルがかなり高いことが判明。
この記事は、筆者がMacを欲しい理由と最強のモニター環境構築について空理空論を述べるだけの、ほとんどの人に役に立たない文章である。
macOSを触ってみたい
Mac miniが欲しい理由は、ただ漠然と「macOSを触ってみたい」からだ。
いわゆる“Z世代”にあたる筆者は、物心ついたころから20年以上Windowsを使い続けている。はじめて触ったパソコンは恐らく2001年発売のWindows XPを搭載したVAIOノートブックで、使用経験のある最も古いOSはWindows Me(Millennium Edition,2000年発売)。
そんな生粋のWindowsユーザーである筆者は、macOSに触れてみたいと思いながらも、これといったきっかけがないまま現在に至った。
そのような状況の中、2024年新型Mac miniの登場により、購買意欲が高まっている。
Mac miniはMacラインナップの中でも、比較的安価だ。前モデルより値上がりしたとはいえ、税込94,800円~という値段は非常に安く感じる。多くの人が気軽に試せる価格設定と言えそうだ。
というわけで、本格的に購入の検討をはじめたのだが、“欲”が出てしまうのが人間である。
理想のモニター環境構築はハードルが高い
筆者の作業デスクは、約3年前に制作した自作のWindows PCに、4Kのモニターを2枚接続した構成。モニターは「LG UltraGear 27GP95R-B」という型番で、4K解像度に144Hzのリフレッシュレート、HDRにも対応する27インチの液晶ディスプレイだ。
試行錯誤と紆余曲折がありながらも、4K 144Hz×2枚のデュアルディスプレイで運用している。
新しく迎えるMac miniでも、同様に高解像度・高リフレッシュレートで複数のモニターを使いたいのだが、(自分の環境において)これが物凄く実現ハードルが高いことである、と判明したのだ。
Mac mini (2024)で4K 144Hzのデュアルモニターを実現するための要件
結論から述べると、M4/M4 Pro搭載モデルともに4K 144Hzのデュアル表示は可能だ。
Mac mini (2024)は、搭載チップにより映像出力ポートが異なる。
- M4 … Thunderbolt 4×3、HDMI 2.1×1
- M4 Pro … Thunderbolt 5×3、HDMI 2.1×1
今期Mac miniから、HDMIポートは4K 144Hzの出力に対応するHDMI 2.1に統一された。
Thunderboltの方に関しては差別化されており、M4はThunderbolt 4、M4 ProはThunderbolt 5規格。
マルチディスプレイ対応状況についてApple 公式のページには、以下のように記載されている。
Mac mini (2024) with M4 Pro chip
Two external displays
How many displays can be connected to Mac mini
- One display up to 8K at 60Hz (or 4K at 240Hz) over Thunderbolt or HDMI, and one display up to 6K at 60Hz (or 4K at 144Hz) over Thunderbolt
- One display up to 8K at 60Hz (or 4K at 240Hz) over Thunderbolt, and one display up to 6K at 60Hz (or 4K at 144Hz) over HDMI
M4 Proの場合、2枚のディスプレイに出力する場合、[HDMIで4K 240Hz]+[Thunderboltで4K 144Hz]が可能。Thunderbolt 5経由であれば4K 144Hz×3にも対応する。
続いては、M4搭載モデル。
Mac mini (2024) with M4 chip
Two external displays
- One display up to 8K at 60Hz (or 4K at 240Hz) over Thunderbolt or HDMI, and one display up to 5K at 60Hz over Thunderbolt
- One display up to 8K at 60Hz (or 4K at 240Hz) over Thunderbolt, and one display up to 4K at 60Hz over HDMI
Three external displays
How many displays can be connected to Mac mini
- Two displays up to 6K at 60Hz (or 4K at 144Hz) over Thunderbolt, and one display up to 5K at 60Hz over Thunderbolt
- Two displays up to 6K at 60Hz (or 4K at 144Hz) over Thunderbolt, and one display up to 4K at 60Hz over HDMI
- One display up to 6K at 60Hz (or 4K at 144Hz) over HDMI, one display up to 6K at 60Hz (or 4K at 144Hz), and one display up to 5K at 60Hz over Thunderbolt
一番下、[HDMIで4K 144Hz]+[Thunderboltで4K 144Hz]+[Thunderboltで5K 60Hz]と記載されており、M4でも4K 144Hzデュアルは実現できそうな雰囲気がある。<2枚の場合>に、[HDMIで4K 240Hz]+[Thunderboltで5K 60Hz]と書かれているのが気になるが、GPUのパワー的には問題ないようだ。
手持ちのモニターで実現できるかわからん!
では、何が問題なのか。
今ある「LG UltraGear 27GP95R-B」には、Thunderboltポートが無いのだ。搭載ポートは以下のとおり。
- HDMI 2.1×2
- DisplayPort 1.4×1
「じゃあコネクタを変換すれば?」と思われるかもしれないが、そう簡単にはいかない。
1枚目のモニターにはHDMI 2.1で接続するのでOKとして、問題は2枚目の方。
4K 144Hz 10bitの転送に必要な帯域は、43Gbps。対してThunderbolt 4の帯域幅は40Gbpsと、微妙に足りなていないのだ。
だから、単に「Thunderbolt 4 to HDMI 2.1」を購入しても使えない可能性が高い。現に「USB-CからHDMI 2.1の変換ケーブル」の製品ページのほとんどに「Macは最大4K 60Hzに制限される」との記載がある。
Thunderbolt 5の帯域幅は120Gbpsと、かなり余裕があるので、「Thunderbolt 5 to HDMI 2.1」があれば実現可能と思われる。だが、海外通販サイトを含め探しても、そのような商品は市場に存在しないのだ(あったら教えてください!!)。
ならば、ThunderboltからDisplayPortへの変換はどうだろうか。「Thunderbolt 4 to DisplayPort 2.1」は広く出回っている。でも、私のモニターはDisplayPort 1.4しか対応していない。DisplayPort 1.4の帯域幅は32.4Gbpsなので、必要帯域幅43Gbpsには届かない。DSCという圧縮伝送技術を使えば4K 144Hzを送れるのだが、Apple siliconのGPUがDSCに対応しているのか否か、確定的な情報を得られていない(誰か教えて!②)。
Thunderbolt 4は40Gbpsなのに、80GbpsのDisplayPort 2.1に変換できる理論は全く理解できない。そもそもUSB-Cを介したDP Altモードの場合は帯域幅諸々は関係無い、的な主張をしているRedditの投稿も見受けられたので、考える事自体が間違いなのかもしれない。
超絶色々調べて考えた挙げ句、一番可能性がありそうな解決策はこちら。
M4 Pro Mac miniを買う。
①(Mac側)HDMI 2.1 ⇒ [HDMI 2.1ケーブル] ⇒ (モニター側)HDMI 2.1
②(Mac側)Thunderbolt 5 ⇒ [Thunderbolt 5 to DP 2.1] ⇒ [DP 2.1 to HDMI 2.1] ⇒ [HDMI 2.1ケーブル] ⇒ (モニター側)HDMI 2.1
こういう感じで繋げば、理論上は4K 144Hzが叶う!
いや、本当かよ???
インターネットの海から情報を引っ張り出しても、机上の空論にすぎない。当然ながら相性問題とかもあるので、実現できるかは結局試してみるほか無いのだ。
Macが欲しい理由ってなんだっけ…。
そもそも、Mac miniの購入検討を始めたいきっかけは「安いから」である。
しかし、実現したい環境を整えるには、218,800円のM4 Pro搭載機が必要(かもしれない)ことが分かった。
↓
せっかく良いマシンを買うならなら、ストレージで後悔したくない(1TBなら248,800円)。
↓
あれ、Macbook Proと同じ価格帯だ。
↓
さらにストレージ増量→高い!
安いから買おうとしていたのに、いつの間にか30万円コースではないか…(ケーブル等も含め)。
繰り返しになるが、筆者がMacを欲しいのは「漠然とmacOSを触ってみたい」という益体もない理由だ。「Macでしかできなくて、やりたいこと」がほぼ存在しないのだ。強いて言えばXcodeでiOSやvisionOSのアプリを作りたいことくらい。
それに、メインのWindows PCと周辺機器を共有する都合上、使い分ける度にモニター2枚と無線マウスとキーボードを接続しなおす、なんて面倒なことができるだろうか?厄介な作業が纏わりつくのに定着するはずがない。
金と時間を掛けて不確実な環境構築を行ってもなお、もたらされるベネフィットがあまりに少ないのだ。
それでも!!諦めきれない辺り、自分が“ガジェットオタク”な証拠なのかもしれない。もはや性、運命なのである。
結局何が言いたいのかよくわからなくなってきたので、深夜テンションで書いたこの記事を締めよう。
最後に、ここまで読んでくれた狂人の貴方へ。私の背中を押してください。
アイキャッチ画像作成:Bing AI